加計呂麻島 木慈の垣起こし

2012年06月26日 | 関連する集落:木慈
6月24日(日)は、旧暦五月五日。

このゴガツゴンチに
加計呂麻島の木慈(きじ)集落で、
伝統行事の垣起こし(かきおこし)がありました。

木慈は薩川湾に面し、
世帯数6、人口11人の小さな集落。


木慈の垣漁跡を上から見るとこうなります。
「へ」の部分が垣。



垣漁とは入江に石を積んで垣をつくり、
満潮時に入った魚介類を干潮時に獲る素朴な漁法。
ヤシ(キビナゴ)、ガティン(アジ)、ウルメなどがよく獲れていたとか。

垣起こしは、崩れた箇所を修復する作業で、
昭和33年頃までは、
神うかがいをするノロも白い着物をまくしあげて一緒に参加していたそう。

その後も集落で伝統をたやさぬよう
旧暦五月五日に伝統行事として引き継いでいます。





昨年から、校区の薩川小学校の児童たちが加わり、
今年も全児童6名が参加。
まずは始めますの挨拶。



ゆるやかにカーブを描く美しい垣。




みんなで一斉によっこいしょー!




こちらも、よっこいしょ!!




軍手が真っ黒になるまでがんばったよー。




そうこうしてると、
垣の中に入った魚を捕まえようとみんな大はしゃぎ!



7匹獲ったどー!!



獲ったのは、網を持ってる小学校6年生のジュンナちゃん。

なんとジュンナちゃんの現在51歳のお父さんが
中学3年生の頃まで
日常的にこの垣漁をしていた最後の世代だそうです。
さすが親子ですねー。


魚の口の中まで見えるよー。




獲った魚はジュンナちゃんが飼っている猫のエサになりました。




薩川小学校のみなさん、
木慈の多野区長さんおつかれさまでした。



大島海峡内や龍郷湾などで行われていた垣漁。
瀬戸内町でほぼ原型を留めているのは
ここ木慈集落のものだけ。




人口の少なくなった集落で
垣起こしを続けていくのは大変な作業だと思いますが、
いつまでも残していきたい島の風景です。





2012.06.24
瀬戸内町 加計呂麻島 木慈


S.B.I (瀬戸内町文化遺産活用実行委員会)