奄美の歴史を感じて ~夜光貝細工体験~

2013年09月05日
8月23日(金) 瀬戸内町立図書館・郷土館にて
思わず、触りたくなっちゃう夜光貝細工体験が行われました。
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参加者は、京都府から奄美大島にやってきた、
こたやんさん(K+(ケイプラス)キッズ商会)率いる小中高生と
シマの(嘉鉄)小中学校の生徒たち。
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子供たち、瀬戸内町のヤドリ浜で、夏休みを利用したキャンプ生活の真っ最中!!
この奄美キャンプは、島の歴史・文化・自然を通して
普段の生活ではできない体験を肌で感じてもらい、地元の人たちとの交流を大事にしたい!
そんな思いのつまった企画!

前日までは、海水浴やシーカヤックを体験。
キャンプの最終日には、地元の子どもたちとの交流会なども予定されているそうです。






キャンプ4日目(8/23)のこの日、
子どもたちには、夜光貝の輝きでさらにパワーアップして奄美を満喫してもらいました!



本日の講師は、
瀬戸内町立図書館・郷土館 埋蔵文化財担当学芸員の  鼎(かなえ) 丈太郎さん
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今回は、シマの歴史についてお話が聞けるので、個人的にも楽しみにしていました!!







まずは、図書館の2階にある郷土館を見学しました。
郷土館内は、奄美の歴史・自然・文化・暮らしのコーナーに分かれていて展示品もとても充実しています。


≪奄美の生き物・植物写真など展示≫
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「奄美大島でキャンプするときは、絶対草むらに入っちゃいけないと言われたよ」
「ハブってホントにいるの?」 (標本を指さして) 「これとこれとこれとどっちが強い?」
「ハブでたらどうすればいいの?向かってくるの??飛ぶって???」
ちょっと慣れてきているキャンプ生活。
再度、気が引き締まるようなお話でしたね。





≪奄美の妖怪≫
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ヤドリ浜にもケンムンが多いと聞き、唾をのむ子も!!





≪奄美の昔の暮らし≫
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漁具・農具が多く展示されています。
子どもたちも漁の道具に興味深々。





≪瀬戸内の民家≫
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「あ~こんな家に住みたい!」 なんて声も!!
敷地の門と母屋の玄関の間にある垣根は、台風の風を防いだり、魔物を防ぐ役割もあるよ。
サンゴの石垣の上にある貝も魔除けだよ。
という説明を聞き、どよめきが!!



「まもの?いるん・・・」





≪瀬戸内の文化財≫
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戦争への疑問を大人にぶつける。
子供たちの関心が高くて驚きました!!

私も戦争を知らない世代ですが、私たちが知ることで子どもたちへとつながっていくことを実感しました。

生まれた場所の、育った場所の、住んでいる場所の、こうした時代を経て今があること。

そうした歴史を知ることは、とても大事なことだと改めて考えさせられました。





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諸鈍シバヤは、島の子どもたちも演じています。
同世代の子どもたちが伝承している姿は、都会の子どもたちにどう映るのでしょうか。
ぜひ、一度、現地で見てもらいたいですね。





京都の生活とまったく違う奄美の文化・暮らしに、子供たちは興味津々です。
次から次へと質問攻めにあう鼎学芸員。
丁寧に一つずつ答える鼎さんのお話を、子供たちもしっかりと聞いていました。

ブログをご覧のみなさまも
ぜひ瀬戸内町へお越しの際は、瀬戸内町立図書館・郷土館にお立ち寄りください!
面白い発見があるはずですよ!!





さあ、いよいよ夜光貝細工体験です。
まずは、小さく切り取った夜光貝パーツを選んでいきます。
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見本に鼎さんの作品が並んでいます。
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子どもたちは、夜光貝の作品に釘付け!





夜光貝は、大型の巻貝サザエの仲間で、奄美大島や屋久島は、生息地の北限にあたります。
九州以北には生息しない貝です。

古代の人々は、南海産の貝類を求めて、海を渡ってきたといわれています。
どれほどの肉体と精神力を持っていたのでしょう。
想像するだけで、ワクワクしてしまいます。

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6~8世紀ごろの遺跡から、土器や石器、鉄器、貝札、魚の骨・獣骨などの遺物とともに、ヤコウガイの貝匙が発見されました。
この時期を代表する遺跡に 「小湊フワガネク遺跡」があります。
この時代のヤコウガイ貝匙加工場の一大拠点として、さらに九州や本土との交易があったことでも注目されています。

この貝匙は、いったい何に使われていたのでしょうか?

平安時代の文献によると、
「夜久貝(ヤクガイ)」、「夜句貝」、「屋久貝」などの記述があり、これらは、ヤコウガイを指すといわれています。
現在では、「夜光貝」と書かれますね。
いつからこの漢字が使われるようになったのか?個人的に気になっているところでもあります。

平安時代には、「螺杯(らはい)」「螺盃」としての記述もあることから、
酒盃(しゅはい)として特別な儀式などで使われていたのではないか?とも考えられています。





そこで、実際にヤコウガイの貝匙にお酒ではなく、水を入れてみました。
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実際、口に運んでみると(真似だけですよ)
目の前で、虹色に輝いているではありませんか!
この輝きを昔の人々は、とても珍しく、とても大事にしていたということなのでしょう。





子供たちには、この輝きを体験してもらうために、貝匙で水を汲んで準備してもらいました!
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“ものつくり”には、発見があります。
地道な手作業だからこそ、指先で感触を確かめれるようになります。
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準備ができたら、11枚の耐水ペーパーを使ってコツコツと磨いていきます。
磨き方は、昨年の記事を参考にしてください!





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みんな夢中で磨き続けます!!
磨き方にも個性がよく出ていますよ。自分が納得いくまで磨き続けてます!!





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嘉鉄小中学校の子どもたちは、何度か体験したことがある経験者!
むずかしい粒を選んで、丸く成形を頑張っている子もいました!!





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納得いくまで磨きたい!ということで、キャンプ場に持ち帰り磨くことにした子も!





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好きな色の携帯ストラップを選んで仕上げています!
約1時間半で、素敵な作品が出来上がりました!!!





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夜光貝細工は、磨けば磨くほど輝いていきます。
夢中になって磨く時間、作り上げる達成感を味わってもらえたら嬉しいですね!

また、奄美の歴史の中でも夜光貝は、貴重な存在。
古代から生息する夜光貝が、今でも美味しく食べられていることはもちろん、
貝殻は、玄関先に飾られていたり、花瓶やアクセサリー作りに利用されたりと、今でも奄美の暮らしの中で身近にあります。
奄美の海に生き続ける貴重な存在として、これからも大事にしていきたいですね。



元気のある子どもたちでとっても楽しい講座となりました!
ありがとうございました!!!




2013.09.03
瀬戸内町 古仁屋 

調査員 Tadashi